観念して、俺のものになって
ああ、やっぱり。
どことなく面影があったから、もしかしてそうなんじゃないかと思っていたの。
「話し出すと長くなるんだけど、俺の話聞いてくれる?」
もちろん、最後まで聞くつもりでいるよ。
腰の痛みを我慢して起き上がり、
紬さんをじっと見つめる。
紬さんはベッドに腰掛け、天井を見上げながらぽつぽつと語りだした。
「俺の親は子供を自分達の思い通りに操らないと気が済まない、支配型の毒親ってやつだった。
勉強に習い事、学校生活から友人関係、身につけるものや読むもの聴くもの食べるものまでを全部管理されて、就職にも口出して来たんだ。本当、参ってしまうよね。
少しでも言うことを聞かなかったら怒って、最悪ご飯抜きとか家の外に締め出されるなんてこともあったな。……寒空の下で、ドアを叩きながら泣いて謝ったのを今でも時々思い出すんだ。とにかく、幼少期は嫌を損ねないように過ごしていたよ」
ははっと困った顔のまま笑う紬さんを見て、ゾクッと鳥肌が立った。
過去に何か辛いことがあったんだろうな、と思ってはいたけど
ここまで酷い家庭環境だったなんて。
参ってしまうなんてレベルじゃない。
そんな親、異常だよ。
「親しい友人も恋人もできず、毎日孤独で将来の夢や希望も持てないまま大人になった俺はある日を境にプツンと糸が切れて、完全に心が壊れてしまって……
もう、親に操られた人生から解放されたかった。
その一心で、飛び降りて死のうと思ったらきみに助けられたって訳だ」