観念して、俺のものになって
店長は私の子供っぽい悪態を軽く聞き流し、すっと私の足元へしゃがんだ。
怪我をしていないかしっかり目視確認した後に、彼はそのまま私を見上げて微笑む。
「……ごめんね。実を言うと、君のことはずっと前から知っていたんだ。
もう一度会いたいと思っていたら、運よくお店に来てくれた。またこんなふうに話せて嬉しかったんだよ」
よく見かける営業スマイルとは違う、心からの笑顔にキュンと胸が締め付けられる。
……ううん、ときめいてる場合じゃなくて。
まるで店長は、私と会ったことがあるような言い方なのがどうも引っかかる。
今まで、こんな細マッチョイケメンと出会った覚えはないんだけどな。
私に限って忘れるなんてことはないはずだし……店長も嘘ついてる様ではない。
うーん、知り合いにいたっけ?…………あ、もしかしてこの人って。
自分の昔の記憶を一つ一つ辿っていく間に、はっと思い出した。
私は数年前に、店長と同じ背丈の男性と出会っているの。
一度会ったきりだったけど、彼の話を聞いて思い当たる人物がこの人だけだった。
けれど、あの人と店長とじゃ纏う雰囲気がぜんぜん違う。