円満な婚約破棄と一流タンクを目指す伯爵令嬢の物語
目を回して友人たちに担がれているディーノを見て、レイナードが船酔いしない理由がわかった。
俺もレイナードも生まれて初めての船旅だったのに、どうして俺だけこんなに…と思ってレイナードに聞いても「さあ、何でだろうね?」なんて本人もよくわかっていなかったようだが、ステーシアに幼いころから振り回されて鍛えられていたってことか。
その翌日、ステーシアは人間離れした速さで運動場を駆け抜けていた。
普通の女子なら、あんな速さで走ろうと思っても足がついていかないだろうが、なんせ2階から飛び降りてもビクともしない足腰を持つステーシアだ、余裕すら残す笑顔を見せて、その様子にグリマン兄弟は何やら慌てていた。
そして、ステーシアが騎士団のキャンプ体験にまた変装して参加する予定だという情報を入手し、それをレイナードに伝えると、レイナードは張り切りだした。
「よし、俺たちも変装して参加しよう。それまでに執務を全て終わらせておかないとな」
執務に励むのはいいことだが「俺たちも」ってどういうことだ。
俺も参加しないといけないのか?
勘弁してくれ。
俺もレイナードも生まれて初めての船旅だったのに、どうして俺だけこんなに…と思ってレイナードに聞いても「さあ、何でだろうね?」なんて本人もよくわかっていなかったようだが、ステーシアに幼いころから振り回されて鍛えられていたってことか。
その翌日、ステーシアは人間離れした速さで運動場を駆け抜けていた。
普通の女子なら、あんな速さで走ろうと思っても足がついていかないだろうが、なんせ2階から飛び降りてもビクともしない足腰を持つステーシアだ、余裕すら残す笑顔を見せて、その様子にグリマン兄弟は何やら慌てていた。
そして、ステーシアが騎士団のキャンプ体験にまた変装して参加する予定だという情報を入手し、それをレイナードに伝えると、レイナードは張り切りだした。
「よし、俺たちも変装して参加しよう。それまでに執務を全て終わらせておかないとな」
執務に励むのはいいことだが「俺たちも」ってどういうことだ。
俺も参加しないといけないのか?
勘弁してくれ。