婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「ですから、ここが閉山したとしても、継続的にできる仕事を考えておりました。それがクズ石の活用と、使用済み魔宝石の再利用です。クズ石は物によってその程度は様々ですが、これらを仕分けして利用できるようになれば、魔導具の材料や魔導車両の燃料になるのではないでしょうか。それに、使用済の魔導具などを回収し、魔力を失った魔宝石を取り出して、それに再び魔力を注ぐことができれば、同じような効果が得られるとは思いませんか?」

 ヘイデンは腕を組んだまま、うむぅと唸っている。リューディアの言っていることは、面白いと思っているのだ。だが、試してみるにも人手が足りない。

「ディア。お前が言っていることは、確かにやってみる価値があるものだと思っている。だが、今、この採掘現場の現状は人手が足りない、だ。まずはお前のやりたいことの優先順位をつけたうえで、資料としてまとめてくれないか? できれば、足りない人手をどのような形で補う予定でいるのかもきちんとまとめて欲しい」

「それも、わたくしには考えがあります」

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