婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「いいのか? 女の子なんだぞ?」
「はい、ですから、あなたの娘です」
娘、と呟けば、公爵も赤ん坊に向かって手を伸ばす。すぐさま産婆が駆け寄って、赤ん坊を抱き上げると公爵の腕の中にその子をすっぽりとおさめた。
「お父さま、僕にも見せてください」
「ボクもー」
「ぼくもー」
三人の兄たちが背伸びをして公爵の腕の中の赤ん坊を覗き込もうとしたため、彼は息子たちのために身をかがめた。
「お前たちの妹だぞ。ああ、娘を授かることは無いと思い込んでいたためか、感慨深いものがある……」
「お父さま、名前は?」
長男のヘイデンが尋ねた。
「なまえは?」
次男のミシェルも聞いてくる。
「なまえー」
三男のシオドリックも言う。
「はい、ですから、あなたの娘です」
娘、と呟けば、公爵も赤ん坊に向かって手を伸ばす。すぐさま産婆が駆け寄って、赤ん坊を抱き上げると公爵の腕の中にその子をすっぽりとおさめた。
「お父さま、僕にも見せてください」
「ボクもー」
「ぼくもー」
三人の兄たちが背伸びをして公爵の腕の中の赤ん坊を覗き込もうとしたため、彼は息子たちのために身をかがめた。
「お前たちの妹だぞ。ああ、娘を授かることは無いと思い込んでいたためか、感慨深いものがある……」
「お父さま、名前は?」
長男のヘイデンが尋ねた。
「なまえは?」
次男のミシェルも聞いてくる。
「なまえー」
三男のシオドリックも言う。