婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「ブス……」
顔を真っ赤に染め上げなら、モーゼフから出てきた言葉がこれ。
一瞬、リューディアは何かの聞き間違いかと思った。それも、すぐさまモーゼフが自己紹介の挨拶をしたからだ。何事もなかったかのように。
だから周囲の大人たちも、先ほどの言葉は彼が緊張したあまり、つい喉の奥から漏れてしまった唸り声だと思ったようだ。
だがそれが聞き間違いではなかったと確信したのは、リューディアがモーゼフに会うために王城を訪れたときだった。二人でお散歩してきたら、という王妃の言葉に従い、リューディアはモーゼフと共に庭園を散歩していた。恐らく周辺に護衛と呼ばれる者たちはいたのだろうが、幼い二人はその気配に気づかない。庭園の少し奥まったところにある噴水の前まで来たとき、突然モーゼフが立ち止まりリューディアと向き合った。
「どうかされましたか?」
リューディアが尋ねると、モーゼフは顔中を真っ赤にしながらじっとリューディアを見つめてくる。何か言いたそうに口を開くのだが、言葉はなかなか出てこない。
何かしら、と思ってリューディアが小首を傾げると、わなわなとモーゼフが震え出す。
顔を真っ赤に染め上げなら、モーゼフから出てきた言葉がこれ。
一瞬、リューディアは何かの聞き間違いかと思った。それも、すぐさまモーゼフが自己紹介の挨拶をしたからだ。何事もなかったかのように。
だから周囲の大人たちも、先ほどの言葉は彼が緊張したあまり、つい喉の奥から漏れてしまった唸り声だと思ったようだ。
だがそれが聞き間違いではなかったと確信したのは、リューディアがモーゼフに会うために王城を訪れたときだった。二人でお散歩してきたら、という王妃の言葉に従い、リューディアはモーゼフと共に庭園を散歩していた。恐らく周辺に護衛と呼ばれる者たちはいたのだろうが、幼い二人はその気配に気づかない。庭園の少し奥まったところにある噴水の前まで来たとき、突然モーゼフが立ち止まりリューディアと向き合った。
「どうかされましたか?」
リューディアが尋ねると、モーゼフは顔中を真っ赤にしながらじっとリューディアを見つめてくる。何か言いたそうに口を開くのだが、言葉はなかなか出てこない。
何かしら、と思ってリューディアが小首を傾げると、わなわなとモーゼフが震え出す。