婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
 危険性、という言葉にブルースの身体がぶるっと大きく震える。

「リディアさん……、クズ石が危険って。どういうことですか?」

 やはりブルースは知らなかったのだ。クズ石をそのまま扱う危険性を。だから今、雨の中震えている小動物のような目でリューディアを見上げている。

「ブルースさん。先日、王都で魔導具の爆発事故が起こったのはご存知ですか?」
 と問うリューディアの口調は優しい。エメレンスは先ほどから黙って彼女の様子を伺っている。彼女に何かあったら助けようとは思っているものの、彼女がそれを望まぬ限り、でしゃばることはやめようとも思っていた。リューディアがどのような女性になったのかを、余すことなく見てみたい、という思いもある。

「いえ。知りません……」

「そうですか。実は先日、王都で魔導具の爆発事故が起こりました。その原因を、魔導士団たちが調べております」

「もしかして、昨日まで魔導士団たちの人が来ていたのは……」

「はい。魔導具爆発事故の原因を探るためです」

「なぜ、この採掘現場に?」

「爆発事故の原因が、魔導具の(コア)として使用されている魔宝石にあるとされているからです」

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