2度目の人生で世界を救おうとする話。後編
だから彼女の願いをこの神が叶えようと決めた。
「…私、死ねたの?」
死んですぐ、神である私の意思によって、神域に招かれた彼女は不思議そうに周りをキョロキョロして、そう呟いた。
ああ、その一言だけで彼女が今までどれほど辛かったのか、伝わってきてしまう。
「私は神です。アナタの長年の祈りに免じて、アナタの願いを一つ叶えましょう。今度こそ幸せになれるのです」
「…ほ、本当?本当なの?」
「ええ、本当です」
私の言葉を聞き、彼女が感極まった声を出す。
それから泣きながら「やっぱり、私はヒロインだったんだ。ヒロインだから試練があったのよ。試練を乗り越えたからやっと幸せになれるのね」と言っていた。
このように彼女はずっと自分を鼓舞して、あの苦しく辛いだけの生をまっとうしたのだ。
強くて可憐で健気な彼女だからできたことだろう。
「さぁ、願いを言いなさい。アナタは特別です。幸せになるべき者なのです」
「はい!私はヒロインになりたいです!たくさんのイケメンに囲まれて、敵と戦って、私は聖女様みたいなポジションでみんなを助かるの!みんなに愛される私になりたい!」
「わかりました」
彼女が語った願いに私は特に何も感じない。そうだろうとしか思わない。
何故なら彼女の願いが、生前彼女が願い続けていたものだったからだ。
彼女は自身が動けない代わりにいつも小説を読んでいた。
自分の生きている世界とは違い、魔法や異能、そんなものが発展した世界で繰り広げられる冒険ものの恋愛が彼女は大好きだった。
そして彼女が好む物語の主人公はいつも誰からも愛され、人の中心にいるような人物だった。