2度目の人生で世界を救おうとする話。後編
これはちょっと強く言わないといけない?
「だから」
「お、お願いします!」
流石に怒ろうとした私の右手をさっきからモジモジしていた男が両手で包み込む。
「こ、こんなの初めてなんです!アナタのことが知りたいんです!性別とか関係ないです!好きなんです!」
そして顔を真っ赤にして突然そう叫んだ。
ええー!
そっちー!?
突然の真剣な告白に私はなされるがままで、一切抵抗しようともしない。
普段の私ならさっさとこの両手から逃れることができるだろうに。
「だめ」
固まったまま私の右手を両手で大事そうに抱えている男を見ているとすごく冷たい声が男の後ろから聞こえた。
「あ、蒼くんっ」
姫巫女が安堵した声で男の後ろに立っている人物の名前を呼ぶ。
「…っ」
私の右手を握る男は蒼の姿を見ると声にならない悲鳴をあげた。
悲鳴をあげたくなる気持ちもわかる。
今の蒼の顔には表情がなく、とても冷たい。
私でさえも怖いと思えてしまうほど迫力がある。
「この子は僕のだから」
「か、彼氏さんでしたか!失礼しました!」
冷たい表情のまま男たち3人を見つめる蒼に一番丁寧な男が頭を下げてそのまま残りの2人を引き連れて走っていった。
私の右手を握っていた男はというと「紅ちゃん!す、好きです!彼氏ってことは紅ちゃん男の人でもいいんだよね!俺にも可能性が…」と何か言い始めていたが、言い終わる前に向こうのほうへ引きずられてしまった。
す、すごい人だったな…。
「2人とも大丈夫?」
「蒼くん!」
心配そうに私たちを見つめる蒼に姫巫女が泣きそうな顔で抱きつく。
「こ、怖かった…」
そして震える声でそう言った。
むしろある意味で怖い思いをしたのは私なんだけどね。
まぁびっくりしただけで怖くなかったけど。