禁じられた恋はその胸にあふれだす
一人のお客さんがそう言うと、皆でおおーっと騒いだ。

「静かに!」

怒ると、悠真君が笑っていた。


もう私は、あの笑顔の虜。

ずっと、あの笑顔を独り占めしていたい。


そんな時だった。

悠真君が、どこかにふらっといなくなった時があった。

「えっ……」

もしかして、記憶が戻って、元の場所に帰った?

嫌な予感がした。

「悠真君、悠真君、悠真君!」

何度呼んでも、返事がない。

サアーっと、血の気が引いて行くのが分かった。


「悠真君……」

「どうした?一花。」

振り返ると、玄関に悠真君が立っていた。
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