禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
高級ホテル最上階にある会員制のバーが行きつけでよく飲むと話ていたな、と思い、東藤に会いに行ったそうだ。
そして九條さんの予想通り、バーには酔って上機嫌の東藤がいた。
話しかけると、以前会ったことを東藤も覚えていて……。引越した先で東藤という女性と会った、もしかして自分たちは隣人ではないかと距離を詰め、いろいろな話を聞き出したらしい。
彼は私の眦から指先で涙を掬い取りながら、事の顛末を打ち明ける。彼なりに精一杯、私を安心させようとしてくれているのかもしれない。
「ふふっ、大きな瞳が溶けそうだな」
「う、う、すみません」
「いや。俺の前では強がらなくていい。ここにはあなたを脅かす存在はいないから、泣きたいだけ泣いて。……俺に、あなたを慰めさせてくれ」
お礼を告げようと、彼の言う通り涙で溶けそうな目で彼を見上げて、はっと息を呑む。視線が絡んだ先では、紫色の瞳が甘やかに熱を孕んで、私を愛おしそうに見つめていた。
「あっ」
唇から思わず声がもれる。
羞恥心と困惑と、それから締め付けられるような胸の痛みに、頬が、耳が、眦が、熱く火照っていく。
だ、だめ。こんなの、だめ。どうして……、私……っ!
そして九條さんの予想通り、バーには酔って上機嫌の東藤がいた。
話しかけると、以前会ったことを東藤も覚えていて……。引越した先で東藤という女性と会った、もしかして自分たちは隣人ではないかと距離を詰め、いろいろな話を聞き出したらしい。
彼は私の眦から指先で涙を掬い取りながら、事の顛末を打ち明ける。彼なりに精一杯、私を安心させようとしてくれているのかもしれない。
「ふふっ、大きな瞳が溶けそうだな」
「う、う、すみません」
「いや。俺の前では強がらなくていい。ここにはあなたを脅かす存在はいないから、泣きたいだけ泣いて。……俺に、あなたを慰めさせてくれ」
お礼を告げようと、彼の言う通り涙で溶けそうな目で彼を見上げて、はっと息を呑む。視線が絡んだ先では、紫色の瞳が甘やかに熱を孕んで、私を愛おしそうに見つめていた。
「あっ」
唇から思わず声がもれる。
羞恥心と困惑と、それから締め付けられるような胸の痛みに、頬が、耳が、眦が、熱く火照っていく。
だ、だめ。こんなの、だめ。どうして……、私……っ!