禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
ううん、九條さんから向けられる感情は、それよりももっと深くて蠱惑的で、底なしの貪欲さがあって――。
「俺があなたを奪う。心も、身体も、未来も全部」
嫉妬や独占欲を剥き出しにした極上な悪魔の爛々とした瞳が、私だけを渇愛するように射貫く。私の胸はきゅーっと締め付けられて、たまらなくなった。
「答えはまだ言わなくていい。ふたりきりの時は俺の名前を呼んで。それから……俺にあなたの名前を呼ばせてくれ」
熱を帯びた互いの視線が、とろりと絡まり合う。
頬や体がじんじんと熱く火照っていく感覚に、許されない一歩を踏み出そうとしている罪悪感と、彼の名前を呼びたいと願う背徳的な恋心が鬩ぎ合って胸が張り裂けそうだった。
……私も彼に奪われたい。心も、身体も、未来も全部。
そう思ったら、もう、好きな気持ちが抑えきれなくて。
「……は、い」
私はそっと震える声で彼へ答えを返す。
だけど、多くを望んだりはしない。ただ、ひっそりと秘めやかな恋をして……この限界を超えた生活を生き抜いていこうと、そう思った。
「清華」
甘く低い声音で、そっと名前を呼ばれる。
「棗、さん」
私も小さな唇で彼の名前を確かめるように呟く。
すると彼は長い睫毛に縁取られた目を蠱惑的に細めて――私の顎先を掬い上げ、性急に私の唇を奪った。
「俺があなたを奪う。心も、身体も、未来も全部」
嫉妬や独占欲を剥き出しにした極上な悪魔の爛々とした瞳が、私だけを渇愛するように射貫く。私の胸はきゅーっと締め付けられて、たまらなくなった。
「答えはまだ言わなくていい。ふたりきりの時は俺の名前を呼んで。それから……俺にあなたの名前を呼ばせてくれ」
熱を帯びた互いの視線が、とろりと絡まり合う。
頬や体がじんじんと熱く火照っていく感覚に、許されない一歩を踏み出そうとしている罪悪感と、彼の名前を呼びたいと願う背徳的な恋心が鬩ぎ合って胸が張り裂けそうだった。
……私も彼に奪われたい。心も、身体も、未来も全部。
そう思ったら、もう、好きな気持ちが抑えきれなくて。
「……は、い」
私はそっと震える声で彼へ答えを返す。
だけど、多くを望んだりはしない。ただ、ひっそりと秘めやかな恋をして……この限界を超えた生活を生き抜いていこうと、そう思った。
「清華」
甘く低い声音で、そっと名前を呼ばれる。
「棗、さん」
私も小さな唇で彼の名前を確かめるように呟く。
すると彼は長い睫毛に縁取られた目を蠱惑的に細めて――私の顎先を掬い上げ、性急に私の唇を奪った。