禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
それって父の会社が警備している場所での犯罪行為を、黙って見逃せってこと!?

「それから蒼井(あおい)清華、お前のことは調べさせてもらったよ。二十二歳、恋愛経験も男性経験も無く、真面目で気配り上手。ははっ、こんな若くて可愛いお嬢さんを妻に貰えるなんて幸せだなぁ」

東藤は金の亡者のような濁った目を細める。
ひぇぇ、怖いっ! ウェブサイトの企業紹介ページで【愛する家族を守る、東藤の安心セキュリティ】を語っていた人間のしていい顔じゃない!

「話はこれでおしまいだ。互いが互いの命を握ってるって、忘れるなよ」

頭が真っ白になる。想像を絶するやばさで、やばい以外の語彙が消失した。やばい。

口封じのための人質として東藤と婚姻関係を結ばれた私は、住み慣れた都市を離れ、六本木にある高級マンションの一室に放り込まれた。
今の私は通報や逃亡防止のためか、部屋から出るのを禁止されている。
外出といえば、東藤の秘書が管理している食材定期便を受け取りに、一階ロビーまで歩けるだけだ。
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