禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
六本木にあるホテル最上階の会員制バー『claro de luna(クラロ・デ・ルーナ)』は、その営業形態から裏社会に片足を突っ込んだ富裕層らが集まり、情報交換をする場として有名だ。
だが裏に盈水會がいることを誰も知らない。ここは盈水會にとって、お金をもらって有益な情報を得られる天国だった。

「もしや東藤セキュリティの東藤さんでは? 以前、お会いしたことがありますよね」
「ああ、覚えているよ。シンガポールのパーティーだろう」

東藤と接触し、何気ない様子で盈水會とのコネクションを示す。すると金の亡者は簡単に釣り上げられた。

貿易会社は情報網の点で特に有利に働く。もちろん違法な取引の現場に居合わせることもあるが、それは潜入捜査がばれぬよう公安的措置を講じて検挙していくので抜かりはない。
逆に、我が社が違法な取引を行っていると演じて、悪徳企業に取り入ることもある。……例えばそう、今夜のように。

あとは簡単だった。
九州の倉庫群の一件から盈水會の傘下に入っていた東藤は、同じく傘下にある年下の俺から、密輸のマージンを欲しがった。
必死で俺を御そうとしているのが滑稽でならない。幹部の顔も知らず、旧型の粗悪な拳銃しか横流ししてもらえなかった奴が、裏社会でのし上がれる訳が無いのだ。
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