禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
棗さんは甘い微笑みを浮かべるばかりで、それ以上何も告げない。
私は緊張と羞恥心がないまぜになった顔でこくりと頷いて、バンケットホールを出た。
ロビーを通るとホテルスタッフに声を掛けられる。彼女が恭しく丁寧に案内してくれたのは、三十七階にたった一室作られたラグジュアリーなお部屋だった。
「わあ……」
壁一面に煌めく夜景が広がり、広々とした室内は開放感に満ちている。
ふとリビングルームにあるソファセットのテーブルの上を見ると、美しく咲き誇る白百合の花束があった。
【清華、誕生日おめでとう】
そう書かれたカードに、色々な想いが込み上げてきて切なくなる。
「……いい匂い」
疲れ切っていた心が清純な香りに包まれる。
花束を抱いたまま時間も忘れて夜景に夢中になっていると、静かに鍵が開く音がした。棗さんだ。
本当に、棗さんと、ホテルでふたりきり……なんだ。
胸がきゅーっと締め付けられて、たまらない。
私は緊張と羞恥心がないまぜになった顔でこくりと頷いて、バンケットホールを出た。
ロビーを通るとホテルスタッフに声を掛けられる。彼女が恭しく丁寧に案内してくれたのは、三十七階にたった一室作られたラグジュアリーなお部屋だった。
「わあ……」
壁一面に煌めく夜景が広がり、広々とした室内は開放感に満ちている。
ふとリビングルームにあるソファセットのテーブルの上を見ると、美しく咲き誇る白百合の花束があった。
【清華、誕生日おめでとう】
そう書かれたカードに、色々な想いが込み上げてきて切なくなる。
「……いい匂い」
疲れ切っていた心が清純な香りに包まれる。
花束を抱いたまま時間も忘れて夜景に夢中になっていると、静かに鍵が開く音がした。棗さんだ。
本当に、棗さんと、ホテルでふたりきり……なんだ。
胸がきゅーっと締め付けられて、たまらない。