禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
あのペンには巧妙にGPSが仕込まれているから、東藤は常に公安に見張られているそう。
棗さんは東藤に怪しまれないためにあの家に帰ることになる。でも、仕事の合間で会いに来てくれると約束してくれたから、寂しくはない。
ホテル内は自由に歩き回れるし、外出も護衛付きなら大丈夫になった。東藤が捕まり次第、離婚も成立するらしい。私は公安に預ける離婚届にサインしながら、ぽろぽろと涙を零す。
棗さんは、本当に私の全てを奪ってくれたのだ。
そうして――あれから約一ヶ月が経過した。
棗さんの護衛付きで散歩に出ていた私は、意を決して店の前で、彼のジャケットの肘あたりをちょんっと引っ張る。
「棗さん。薬局に寄ってもいいですか?」
「どこか悪いのか。夏風邪?」
「いえ、その、ですね」
もごもごと言葉を濁しながら入店する。
予定日を過ぎても生理がこないのだ。大変な日々を送っていたからストレスで遅れているだけかもしれない。だけど、棗さんに初めてを捧げて激しく抱かれたあの夜に……妊娠した可能性も、ある。
避妊もしっかりしていたし、私の心配し過ぎかもしれない。だけどもし、と思うと不安で仕方なかった。
棗さんは東藤に怪しまれないためにあの家に帰ることになる。でも、仕事の合間で会いに来てくれると約束してくれたから、寂しくはない。
ホテル内は自由に歩き回れるし、外出も護衛付きなら大丈夫になった。東藤が捕まり次第、離婚も成立するらしい。私は公安に預ける離婚届にサインしながら、ぽろぽろと涙を零す。
棗さんは、本当に私の全てを奪ってくれたのだ。
そうして――あれから約一ヶ月が経過した。
棗さんの護衛付きで散歩に出ていた私は、意を決して店の前で、彼のジャケットの肘あたりをちょんっと引っ張る。
「棗さん。薬局に寄ってもいいですか?」
「どこか悪いのか。夏風邪?」
「いえ、その、ですね」
もごもごと言葉を濁しながら入店する。
予定日を過ぎても生理がこないのだ。大変な日々を送っていたからストレスで遅れているだけかもしれない。だけど、棗さんに初めてを捧げて激しく抱かれたあの夜に……妊娠した可能性も、ある。
避妊もしっかりしていたし、私の心配し過ぎかもしれない。だけどもし、と思うと不安で仕方なかった。