魔王様の花
翌日。せっかくの休日も昨日の一件により台無しだ。いつも昼前までぐっすりなのだが、今日は違う。

6時に目が覚め、朝食のトーストを一階のリビングでもそもそ食べる――あまりにも気分が乗らないため、好物のトマトとチーズのはちみつサラダもプラスして。


それを目にした母は、瞳をまんまるくして、大口まであけて突っ立っている。


母よ……さすがに失礼じゃないか?


なんて口を挟む元気があるはずもなく、心の中で深いため息をついた。


本日二度目の大きなため息を。

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