カフェオレ色のアナグ・・・ラ[ブ=]無 ─ Anagram ─

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 それからしばらく物想いに(ふけ)るように遠くへ目をやるアナログさんを、ワタシは不思議そうに眺めていた。

 変わった名前、雰囲気のある表情、(ワタシが無知なだけかも知れないけれど & 九歳も年上だからだろうけど)豊富な知識の数々……全てに惹き込まれそうな魅力がある。

 と、ワタシは彼を分析して思う。

 黙ったまま凝視するそんなワタシを「待たせてしまっている」と勘違いしたのか、アナログさんは一言「ゴメンね」と謝って、フッと思い出したように微笑んだ。

「アナグラム、ですね」

「? アナ……グラム??」

 アナログに似ているけれど……知らない言葉だ。

「アナグラム。言葉遊びの一種です。単語などから文字を拾い出して並べ替え、別の言葉に変える……貴女は僕の名「ナグロ ハクア」の中から、ナとグとロとアを拾い上げて「アナログ」に並べ替えた。僕は貴女の名「テシガワラ ホタル」の中から、テとシ、更にガに付いている濁点と、タとルを拾い上げて「デジタル」に繋ぎ直した」

「わぁ……確かに!」

 『アナグラム』──また一つ語彙(ごい)の増えた喜びが、ワタシのハートをワクワクさせた!


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