線香花火の初恋【短編】
そんなことがあり、終わりは呆気なく迎え、日常的に意識してその視線を一身にうけてきた。こんなに切ないような、熱い視線を向けといて、気づかれてもいいと開き直っているのか顔を逸らすのはいつもワンテンポ花本は遅れている。


いい加減、その視線だけでは耐えられなくなった俺は行動を起こすが、彼女は俺と仲を深めたいわけではないという。

どうして俺の周りはややこしい女ばっかりなんだ。俺を弄んでそんなに楽しいのか。

元カノといい、花本といい。

気づいたときには、彼女に向けていた感情が恋だけでなくーーーー。


「花本、付き合おう。ちゃんと」

彼女はゆったりと、前を布団で隠しながら起き上がった。その姿はあんまりにも、目の毒だったので、目を逸らしながら言った。

彼女は起き抜けでぼんやりしていたが、その言葉の後、みるみる覚醒したように身体を強張らせて、布団を掴んだ皺が濃くなったのがわかった。
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