私の恋心と彼らの執着


 その週の、日曜日。

 私は文隆と外出していた。が、断じてデートではない。
 遅まきながらこないだの件を謝ってきた文隆に『じゃあ、日曜に映画と昼ごはんおごって』と交換条件を出したのだ。

 あんなことをしておきながら謝ってどうにかなると思った文隆も、条件付きで許してしまう自分もどうかという気はしたけれど、これからも職場で会う関係だから変にこじれさせたくはなかった。

 映画は、一番見たい洋画のアクションものが満席だったので、ひとりで観に来ようかと思っていた恋愛ものを選んだ。
 人気マンガが原作で、大学生同士のピュアな恋愛模様が売りの作品……のはずなのだけど、原作にないオリジナル展開がけっこう入れられていて、その中にはメインキャラ同士の濃いラブシーンもあった。
 直接描写ではなくとも裸で抱き合う場面がわりと長くて、たぶん原作のファンほど目をそらしてしまうのではないか、と思うほどに色っぽい展開になっていた。

 私自身は原作を流し読みした程度で、そんなにこだわりはなかったからオリジナル展開もまあまあ受け入れられた。
 けど、一緒に観る相手を間違えたなとは思った。よりによってあの件の後で、文隆と観る映画じゃなかった。

「……おもしろかった?」
「ん、まあ……俺は付き合っただけだから」
「そ、そうだね」

 ちょっと気まずい思いを抱えて、映画館を出る。
 ここはランチで気を取り直さなくては。
< 20 / 31 >

この作品をシェア

pagetop