溺愛の形・わがままな純愛・後日談(エピローグとプロローグ)
ユリアが言った。
「ケイレブとは・・
本当に仲がよい関係なのですね」

「まぁ、腐れ縁というか・・
何と言うか、
敵にはまわしたくない奴ですよ」

サリナス殿下は振り返った。
優位に立つ者の視線で、

ケイレブに、見せつけるように
ユリアの手の甲にキスをして

「ユリアちゃん、
あなたとお近づきになれて、
私はうれしい」

ケイレブは、面白くないのを、
前面に顔に出して叫んだ。

「俺は良くないネッ!
飯食ったら、すぐに帰るから!!」
サリナス殿下に、エスコートされながら、
ユリアはクスクス笑っている。

カツーン、カツーン

ケイレブはというと・・・
前方の木立に向けて
ドングリの銃弾で、威嚇射撃を
始めていた。

「ケイレブ、まったく君は大人げないな」
サリナス殿下は、含み笑いをしている。

「ユリアちゃんは、俺にとっては運命の人だからな」

ケイレブは、前方の建物の窓ガラスに、狙いを定めながら言った。
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