ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 首を回して門柱の上をみると、なるほどカメラが見えた。

 車でそのまま中に入ると、広い庭の先に邸があった。

 感嘆のため息と同時に本音が口からこぼれる。

「なんて立派なお屋敷なの」

 邸の向かって左側に駐車場がある。高級車ばかりがすでに三台は並んでいた。

 邸の前は美しい花をつけた草木が小道に沿うように植えられている。見事なイングリッシュガーデンだ。

 車を降りた私は緊張も忘れて感動した。

「すごい! なんて綺麗なお庭」

 感動の声をあげずにはいられなかった。

 こんな素敵なお庭なら、一日中でも眺めていても飽きないと思う。

「母の趣味でね。暇さえあればなにかしら植えたりしているよ」

「素敵なご趣味だわ」

「ちょっと歩いてみる? まだ蚊はいないだろうから」

「ぜひ」

 慎一郎さんと手を繋いでお庭をゆっくり散策しながら「二階のあそこが俺の部屋」などと教えてもらった。

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