君はブルー【完】
家守さんの奥さんも、家守さんの不倫に気付いて、こんな風に知らんぷりしているのだろうか。
被害者であり、加害者でもある私。
約束の5分が過ぎても戻ってこない優くんにがっかりすることもなくなった。
ワインを口の中で味わいながら、何気なくスマホを開くと家守さんからメッセージが入っていた。
『ハルハル誕生日おめでとー』
『俺、離婚するかも』
二行に分かれて送られてきたメッセージに、心臓がどきりと鳴った。
俺、離婚するかも。
家守さん、離婚するかも。
動揺して、すぐにスマホはカバンにしまった。
家守さんは冗談でもそんなこと言ったことがなかったから。
ああ、もしかして奥さんにばれたのだろうか。それか、とっくに知っていた奥さんに我慢の限界がきて、ついに切り出されたのか。
ブブっと、無意識に抱きしめていたカバンの中で、スマホが震えた音がした。
優くんが戻ってくる気配はまだない。
カバンの中で、そっと届いたばかりのメッセージを開いた。
『ハルハル、本気で好きになったって言ったら、どうする?』
家守さんからのメッセージで、自分の体温が急激に下がっていくのを感じる。