9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
今のセシリアは、自分の人生に誇りを持っていた。

役立たずと罵られひとり涙した日々も、どんなに努力しても愛されず孤独に苛まれていた日々も、何もかもが愛しい。

過去の自分がいなければきっと、この偉大なる人からこんなにも大きな愛を与えられることはなかったからだ。

(無駄なことなど、何ひとつなかったのね)

心の中でしみじみと感じながら、セシリアは汗ばんだ彼の手に自分の手を絡ませる。

そして、甘く情熱的な夜に溺れていったのだった。


END
 
                                     
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