9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
セシリアははやる気持ちをおさえて訓練所に行くと、鉄門の脇で、エヴァンが出てくるのをひたすら待つことにした。

小一時間ほど待ったところで、従者を従えたエヴァンが鉄門から出てくる。

「殿下」

声をかけると、エヴァンが驚いたようにセシリアに顔を向けた。

「――どうしてそんなところにいる?」

「大事なお話があって参りました」

「話だと?」

怪訝そうに眉を寄せるエヴァン。明らかに歓迎されている空気ではない。

だが、ここで彼を取り逃がすわけにはいかない。

セシリアは決意を固めると、真摯な気持ちを瞳に込め、「人払いをしてくださいませんか?」と申し出た。

エヴァンは逡巡するような表情を見せたものの、セシリアの切迫した雰囲気を感じ取ったのか、背後にいた従者に下がるよう告げる。

従者が姿を消したところで、セシリアはこらえきれず、がしっとエヴァンの両手を握った。

「な……っ!」
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