嫉妬のキス
 彼は笑っているけど、講義のあとに女子大生に囲まれることはしょっちゅうだし、あからさまに色目を遣ってくる女性教員がいることも知っている。若くして准教授になったエリートで、しかも顔もいいときたら、まわりがほっとくわけがない。彼はとぼけているのだろうか?

「薫は鈍感だからなぁ」

「それ純くんに言われたくない」

「ふぅん」 

 私は少しムッとした。

「っ!?」

 彼は私の首筋に吸いつくようなキスをした。

 鏡を見るとキスされたところが赤くなっていた。

「これ…」

「薫は僕のものってこと」

 後ろから耳元で囁かれ、ゾクゾクと痺れにも似た感覚が背中を伝う。

「顔真っ赤。かわいい」

 彼は鏡越しに怪しげな笑みを浮かべている。鏡に映る私の顔は紅潮して今にも火を噴きそうだ。

「もう、からかわないでよ!」

「はいはい。ああ、Tシャツを取りに来たんだった」

 彼は私を軽くあしらい、脱衣所に置きっぱなしにしていたらしい着替えのTシャツを着て、何事もなかったようにリビングに戻っていった。
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:4

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

どうにもこうにも~恋人編~

総文字数/54,003

恋愛(純愛)91ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
年の離れた恋人ができた 私は毎日彼のことで頭がいっぱい 彼は躊躇なく愛の言葉を囁き 私のことを惜しみなく愛してくれる それなのに 些細なことで彼の元恋人の存在を知り 彼女に嫉妬してしまう しかも彼女の方はまだ気がありそうだし 彼にその気がなかったとしても、 私は彼女の存在を許容するほどそんなに大人じゃない 石原慧(イシハラケイ)  22歳 国立大学4年生    × 西島啓之(ニシジマタカユキ) 42歳 某有名商社 経営企画部長 平凡な女子大生と紳士なオジサマの年の差ラブストーリー 「どうにもこうにも~出会い編~」の続編です https://www.berrys-cafe.jp/pc/book/n1637774/ 「出会い編」を読まなくてもお楽しみいただけます ****************************** ただただ作者のフェチを詰め込んだ自己満足作品となっております。 2022.3.18~2022.3.20
どうにもこうにも~出会い編~

総文字数/45,036

恋愛(純愛)104ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
最初はバイト先によく来る気になる常連客だった 「石原さん離してください」 「ひとりにしちゃイヤ」 「このままじゃ寝られませんよ。離してくれるかな?」 「んっ」 「どうしてもだめかい?」 「…西島さんと、一緒がいい」 どうにもこうにも、抗えない 石原慧(イシハラケイ)  21歳 国立大学4年生    × 西島啓之(ニシジマタカユキ)  41歳 某有名商社勤務 平凡な女子大生と紳士なオジサマの年の差ラブストーリー ************************************************* ただただ作者のフェチを詰め込んだ自己満足作品となっております。 ☆erinaaaaaさん☆ レビューいただきありがとうございます! 2021.5.12~2021.5.18
日直当番【完結】

総文字数/60,505

恋愛(学園)120ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「なんで私が進藤くんと日直なの?」 「教えてあげましょうか」 彼は左手の中指で下がった眼鏡を上げた。 「皆川くんが休んでしまったからです」 「知ってます」 ********************** 「ふたりだけになりましたね」 「それが何よ」 「僕は結構根に持つタイプなんですよ」 「だから?」 「何…する気?」 「知りたいですか?」 すべてはあの日の日直当番から始まった。 ********************** 書き始めたのは10年以上前、私が高校生のときです。 休み休み書いてようやく完結しました。 お見苦しい文章や都合のいいストーリー展開もありますがご容赦ください。 未完の「日直当番」とは、ストーリーが若干(大分?)異なります。 2022.1.23 ********************** 「第5回noicomiマンガシナリオ大賞」にエントリー中。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop