彼の指定席


沙織も、ゲーセンに行こうと言ったあたしの誘いを断った一人だ。



カラオケ行くぐらいなら、ゲーセン行こうよ~!!



「……行かない。ゲーセン行きたい」



ほんの少しだけ、恨みのこもった声で言う。



『しつこいなぁ。ゲーセンは嫌いなの』



沙織は呆れたように言った。



彼に会いたい。
どうしても、会いたい。


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