彼の指定席


オーダーを送信して、いつものようにシルバーを準備する。

彼は携帯を取り出して、チェスゲームに没頭し始める。



右手には携帯電話。

左手には、細く長い指で挟まれたタバコ。



タバコを吸うたびに、煙を避けようと細める目。

あたしが、一番ドキッとしてしまう彼の表情。



この表情がたまらなくて。

見るたびに、思うんだ。




――大好き……。



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