彼の指定席
「お待たせしました」
増永さんが頼んだパスタランチを、静かにテーブルに置いたとき……。
「あっっ、いたー!」
そんな声が店の入り口で聞こえてきた。
瞬間、あたしと増永さんは同時に振り返る。
見ると、スラリと背の高いキレイな女の人。
彼女は、カウンター目掛けて、足早に歩いてきた。
増永さんはそんな彼女を見て、ひどく驚いていた。
「店の子に聞いたら、ここでゴハン食べてるって言うからー」
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