若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
トーマス王子が部屋を出た後も、マリーの胸は激しく早鐘を打っていた。

トーマス王子から抱き締められた上に、キス未遂、愛の告白、そして結婚の申し込みと、マリー1人では処理仕切れないほど、次々と予想外のことが起こったのだ。

マリーは寝台に寝転んだまま、天井の複雑な模様を眺めながら、

『今の私の心も、きっとこんな複雑な模様なのかもしれない。びっくりして…恥ずかしくて…でも…とても嬉しかった。』

そう考えていると、

コンコンコン

と、再び扉がノックされた。

マリーは急いで体を起こすと、

「はい!」

と、返事をした。

扉が開き、入って来たのは、侍女とルーシー看護師だった。

「お加減はいかがですか?スープのご用意が出来ておりますので、お持ちしてもよろしいでしょうか?」

と、ルーシー看護師が聞くと、

「はい。ありがとうございます。」

と、マリーは答えた。
すると、返事を聞いた侍女がスープを取りに部屋を出て行った。

「あの、私、ここにいていいんでしょうか。」

と、マリーはルーシー看護師に聞いた。

「いいに決まってますよ!トーマス殿下の大切な花嫁なんですから。しっかり食べて休んで早く元気になっていただかないと!」

「そのことなんですが…その、トーマス王子は本当に私のことを花嫁とおっしゃったのでしょうか?」

「そういえば…はっきり花嫁とはおっしゃってませんでしたが、マリー様を連れて帰って来た時に、私達に《私の大切な人だ!どんなことをしてでも必ず助けてくれ!》とおっしゃってましたから。トーマス王子の大切な方ということは、お妃様になられるお方だとみんな理解してますよ。」

「そうなんですね。」

と、マリーは俯きながら返事をした。
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