しづき


私はこの人がよく分からない。



1ヶ月で監禁を終えるとキッパリと決めていて



幸せを願う、だなんて。
私のことを諦めるようなことを口にするくせに。



「愛してる」だの「ぼくのもの」だの




──『早くぼくに堕ちてね』




ほんと、意味がわかんない。



離れることが分かっていてもなお、私へ向けられる異常なまでの愛は全部本物だって嫌でも伝わってくるし。



ちぐはぐなんだ、白は。





そして何よりももっと意味わかんないのは。



白がどこかへ行ってしまうことを知って、少し泣きそうになっている自分だった。



お別れしたって、また会いに行けるなんて、勝手に思っていたから。



冗談でもあの場所にいるって言ってほしかった。


< 169 / 312 >

この作品をシェア

pagetop