しづき
「…白ってやっぱり気持ち悪い」
「そんなこと言わないでよ。これはぼくらの愛の証だよ?ほら、ぼくもちゃんと付けたから」
白はきっちりと着ていたシャツのボタンをいくつか外し、胸元を開けた。
あらわになった白肌に浮く鎖骨には
右はガーゼ
左には『しづき』と歪みなく貼られていた。
「汐月」
その名前を、白の白い指がとんとんとつつく。
「いーよ、ここ」
「え?」
「キスマークつけて」
私を誘うやわらかな声。
耳から脳に伝わった瞬間、昨日の出来事がフラッシュバックしてきた。