Rain or Shine〜義弟だから諦めたのに、どうしたってあなたを愛してしまう〜

 電話を切った恵介が瑞穂のそばにやってくる。

「うん、やっぱり瑞穂はスカートが似合う。それに……」

 恵介は瑞穂を抱きしめると、スカートを捲ってお尻を撫で、耳元に口を寄せた。

「スカートは脱がせやすいからいいね」
「……恵介のエッチ……」
「そんな俺も好きでしょ?」

 反論出来ないのが悔しかったのか、頬を膨らませてそっぽを向く。そんな瑞穂に恵介は軽く口づけた。

「さっ、今日はいろいろ大変だよ。瑞穂をあの男から奪い去らないとだからね」

 その言葉を聞いて、一気に血の気が引いていく。確かに昨夜、そのことについて話した。でもそんなこと出来るのだろうか……。

 すると恵介は瑞穂の頭を優しく撫でる。その表情には余裕さえ感じられた。

「俺に任せて。朝食を摂ったら、あの家から荷物を運び出そう」

 うまくいくのだろうか……不安しかない。でも恵介を信じようと心に決めた。

 辛い思い出ばかりのあの家から、私を暗闇に突き落としたあの人から逃れるために、私は一歩踏み出さなければいけないんだ。
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