エリート警察官の溺愛は甘く切ない
それから私は、圭也さんのお弁当を作るようになった。

「ふふん。今日はハンバーグ弁当だもんね。」

喜んでもらえるかな、圭也さん。


そして私は、ニヤッとした。

結婚式を挙げてから、毎日のように求めて貰って。

「ふふふ。」

お弁当を作るだけでも、愛情がこもる。


ちょうど、最後のトマトをお弁当の中に入れた時だ。

「おはよう、紗良。」

「おはよう、圭也さん。」

圭也さんは、いつも遅くに帰って来ているから、起きてくるのは遅め。

寝ぼけている圭也さんも、可愛らしくていい。


「はい、朝ご飯。」

「うん。」

顔を洗ってきた圭也さんが、朝ご飯を食べ始めた頃に、私はお弁当を見せた。

「はい、今日のお弁当ね。」

「お弁当?」

圭也さんが目を点にしている。

「俺、お弁当作ってって、言った?」
< 26 / 90 >

この作品をシェア

pagetop