エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「あー、ご馳走様。じゃ、仕事行ってくるね。」

荷物を持って、圭也さんが玄関に向かう。

「行ってきまーす。」

もしかしたら、今日は帰って来ないかもしれない。

そう思ったら、圭也さんの腕を掴んでいた。


「紗良?」

「……キスして。」

自分でも分かっている。

30にもなって、こんな我儘言うなんて。

「ほっぺたでもいいし。」

圭也さんは何も言ってくれない。

「ごめん。何か、離れがたくて。」

すると、圭也さんは私の唇にキスをしてくれた。


「俺の奥さんは、ほんと可愛いな。」

その笑顔に、癒される。

「そうだ。行って来ますのチュー。習慣にしようか。」

「うん!」

そして圭也さんは、手を振って仕事に行った。


「仲いいですね。」

急に声が聞こえて隣を見ると、お隣さんがこっちを向いていて、驚いた。
< 28 / 90 >

この作品をシェア

pagetop