エリート警察官の溺愛は甘く切ない
それを読んで、同じように引いていた圭也さん。

「気にするなって。捨てようか、こんなノート。」

「いいよ。せっかく書いてくれたノートだもん。」

それに捨てたら、また面倒くさい事になりそうだ。


「紗良。」

圭也さんは、私をぎゅっと抱きしめてくれた。

「ごめんな。こんな気を遣わせてしまって。」

「ううん。」

それしか言えない。


もし、産まれてみて女の子だったら?

きっと、圭也さんのご両親には、歓迎されないだろう。

でも女の子だって、私達の子供に変わりはないんだし。

私達で大切に育てていくしかない。


「うん。腹が座った。」

「ん?」

私の顔を覗き込んだ圭也さんに、笑顔を見せた。
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