エリート警察官の溺愛は甘く切ない
私は、お義母さんと仲良くやっていけるような、そんな気がした。


「さあ、着いたわ。」

見上げて見ると、大きな鳥居があった。

でも、派手でもないし。

人が大勢いる訳でもない。

そこいら辺にある神社と同じだ。


「ここは、何の神様なんですか?」

鳥居を抜けながら、キョロキョロと周りを見る。

「安産の神様よ。」

「へえ。」

「そして、圭也を授かった神社。」

私は、言葉が出なかった。


まさか。

「ここで紗良さんも、男の子を祈願しましょう。」

にっこりと笑ったお義母さんの顔が、鬼に見えた。

その瞬間だった。

急に、お腹が痛くなった。

「大丈夫?紗良さん?」

「お義母さん、タクシーで、産婦人科にお願いします。」
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