エリート警察官の溺愛は甘く切ない
お義母さんが早めにタクシーを呼んでくれたお陰で、直ぐに産婦人科に着く事ができた。

「流産しかかってますね。しばらく病院で、安静にしてください。」

「そんな……」

私よりもお義母さんの方が、ショックを受けていた。


そして連絡を聞いて、圭也さんが病院に駆けつけてくれた。

「お腹の子は?」

「ああ、圭也。無事だけど、安静にしてくださいって。」

全部お義母さんが、圭也さんに伝える。

私の出る幕なし?


「私が神社に連れて行ったのが、悪かったのかしら。」

「だから何で急に、神社なんて。」

するとお義母さんは、喚き始めた。

「男の子が欲しいのよ!」

「まだそんな事言ってるのか!どっちだって、構わないだろ!」

圭也さんは、お義母さんにはっきり言ってくれた。

「何言ってるのよ!もし、女の子だったら!孫だと認めませんからね!」


その瞬間、お腹からサーっと、何かが降りていった気がした。

「一条さん?一条さん?先生、一条さんから出血です!」

看護師さんが早めに気づいてくれたけれど、私の赤ちゃんは、お腹から旅立って行ってしまった。
< 55 / 90 >

この作品をシェア

pagetop