エリート警察官の溺愛は甘く切ない
家の中に溢れていた、ベビーグッズが片付けられていた。

「ベビーグッズ、どこへやったの?」

「ああ……」

圭也さんは、微笑みながら私の頭を、ポンと叩いた。

「リサイクルショップに売った。」

「そう。」

「あったら、いつまでも気にするだろ。」

圭也さん、優し過ぎて、胸が痛くなる。


私は、圭也さんを後ろをから、抱きしめた。

「赤ちゃん、また来てくれるかな。」

私の手を握ったくれた圭也さんの手が、温かい。

「うん。きっと来てくれると思うよ。」


私はそこで、大泣きした。

赤ちゃんが逝ってしまってから、泣いた事がなかった。

圭也さんはただ黙って、私が泣き終わるのを、待っていてくれた。


圭也さん。

私、圭也さんと結婚して、本当によかった。

そう、改めて思った。
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