エリート警察官の溺愛は甘く切ない
後に残った私は、呆然としてその背中を見送るだけ。

「はぁー……」

感情の起伏が激しい。

自転車で買い物に来ただけなのに、もう疲れた。

「今日は、お惣菜にしよう。」

押した自転車は、やけに重く感じた。


家に帰って、圭也さんの帰りを待つ。

今日はお惣菜だから、圭也さんが帰って来てから用意しても間に合う。

「ただいま。」

案の定、夜10時の帰宅。

「お帰りなさい。今日もお疲れ様。」

圭也さんは、迎えに出た私を、抱きしめてくれた。

「今日は、何してた?」

「いつもと一緒。」

まさか。優に告白された事は、内緒だ。


「そう言えば、従兄弟君に告白されたんだって?」

「えっ⁉何故、それを。」

圭也さんを見たら、笑っている。

「今日、従兄弟君に会って。紗良に告白したけれど、振られましたって言ってたよ。」

「ははは……」

優が圭也さんと会うなんて、偶然にも程があるし、何故優はその事を言ったかな。

「俺の紗良は、魅力的なんだね。」

圭也さんは、私の額にチュッとキスをした。
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