エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「看護師さん?」

『一条圭也さんが、お仕事中に怪我をされて、病院に運ばれています。』

「えっ……」

『できれば、こちらに来て頂きたいのですが……』

「はい、今すぐ行きます!」

私は小さなバッグに、必要な物を詰め込むと、急いで家を出た。


怪我って何?

どんな容体?

自転車を漕いでいる時に、隣の奥さんの言葉を思い出した。

「ううん。大丈夫。」

私は、首を横に振った。

きっと、圭也さんは大丈夫。


病院に着いて、受付に病室を聞いた。

「一条圭也さんは、集中治療室にいます。こちらへどうぞ。」

「集中治療室……」

ただの怪我じゃないの?

不安が過る。

途中で看護師さんにバトンタッチされ、集中治療室に入った。

そこには、何本も管が入っている圭也さんの姿があった。

「圭也さん?」

ゆっくりと、圭也さんに近づく。
< 87 / 90 >

この作品をシェア

pagetop