心はあなたを探してた
誰もいない夜の更衣室は少し怖い。オバケとかが苦手だから、急いで制服のベストとタイトスカートを脱ぎ、フレアスカートとカーディガンを身につけた。
人がいなくて薄暗い廊下をダッシュで通り抜け、エレベーターに乗り込むと少しだけホッとする。
すっかり顔なじみになった時間外窓口の守衛さんに挨拶し、外へ出ると主任が大通りに出る道の角の植え込みの前で待っていた。
「久川主任、待っていてくださるなら、一緒に退勤したらいいと思いますけど。」
「守衛さんに、まるでお前と一緒に帰ったみたいに思われるじゃないか。」
「だって主任、毎日私のアパートまで送ってくれてるじゃないですか。」
そうなのだ。
この仕事では優しくない主任は、なぜか残業で遅くなる私を送るためだけに会社を挟んで反対側に住む私を電車に乗って送り届けるということを毎日している。
「誰のせいとは言わないが、毎日残業で遅くなる若い女の子が帰宅途中に何かあったら、会社も責められかねないからな。
どうせこの時間まで、付き合って残業してるなら送ってやるのまで仕事と思えば苦でもない。」
「そう言う言い方しなきゃ、いいのに…」
「なんか言ったか?」
「いいえ!帰りましょう。サッサと帰りましょう!」
今日もほとんど会話が弾まないまま、アパートまでの道を二人で歩くのだった。
人がいなくて薄暗い廊下をダッシュで通り抜け、エレベーターに乗り込むと少しだけホッとする。
すっかり顔なじみになった時間外窓口の守衛さんに挨拶し、外へ出ると主任が大通りに出る道の角の植え込みの前で待っていた。
「久川主任、待っていてくださるなら、一緒に退勤したらいいと思いますけど。」
「守衛さんに、まるでお前と一緒に帰ったみたいに思われるじゃないか。」
「だって主任、毎日私のアパートまで送ってくれてるじゃないですか。」
そうなのだ。
この仕事では優しくない主任は、なぜか残業で遅くなる私を送るためだけに会社を挟んで反対側に住む私を電車に乗って送り届けるということを毎日している。
「誰のせいとは言わないが、毎日残業で遅くなる若い女の子が帰宅途中に何かあったら、会社も責められかねないからな。
どうせこの時間まで、付き合って残業してるなら送ってやるのまで仕事と思えば苦でもない。」
「そう言う言い方しなきゃ、いいのに…」
「なんか言ったか?」
「いいえ!帰りましょう。サッサと帰りましょう!」
今日もほとんど会話が弾まないまま、アパートまでの道を二人で歩くのだった。