離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
「月島さん、どう?」
カーテンの向こうから津田さんの声がする。
彼が言う通り、仕事柄いつもは地味目の洋服が多かったので、落ち着いた色とはいえピンクのスカートはくすぐったい。
でも、待たせるのも悪くてカーテンを開けた。
すると津田さんは私をまじまじと見つめて黙り込む。
「……似合わない、ですよね」
沈黙が苦しくて自分から言うと、彼は目を見開いて驚いている。
「いや、見惚れてたんだ、ごめん」
見惚れてた?
「すごくいい。月島さんはこういう雰囲気の洋服のほうが似合ってる。いつもの紺のパンツ姿も凛々しくていいけど」
やはり私のことをよく知っているようだ。
あおぞら教室では無難で着回しの利く紺のパンツをしばしば着用していて、何本か持っているのだ。
「あ、ありがとうございます」
「足、痛むだろうからヒールなしにしてもらったよ」