離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
「そんな配慮まですみません」


本当によく気がつく人だ。


「着物、クリーニングに出していただけます?」


津田さんは隣にいた店員さんに話しかけているけれど、さすがに無理だろう。

ここで購入したわけではないし、ブランピュールは洋服しかないはずだ。


「かしこまりました」


しかし、あっさり了承した店員に驚く。


「一ノ瀬(いちのせ)に、俺の自宅に送ってくれと言っておいて」
「かしこまりました」


なんの会話が続いているのか理解できない。


「クリーニングって……」

「あぁ、ブランピュールは最近和服の分野にも進出してるんだよ。今はまだ花嫁衣裳ばかりだけどね」


それは知らなかった。


「一ノ瀬さんというのは?」
「ここの社長兼メインデザイナー。ちょっと知ってて」
「えっ!」


それでここに連れてきたのか。
そんな偉い人を知っているとはびっくりだ。


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