離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
ダークグレーのスリーピースを着こなし、仕事のできるビジネスマンという雰囲気が漂っている。


「聞いたよ。電撃的な婚約だね。おめでとう」

「あ、ありがとうございます」


真奈香ちゃんにも明かしたとはいえ、まだ夢の中にいるようだ。


「津田さんがわざわざ報告に来てくれてね。相手が変わってるのは、あれだけどさ……」


鋭い指摘に、あははと曖昧(あいまい)に笑って濁すと、直秀さんが口を開いた。


「運命なんて信じてませんでしたけど、彼女に出会ってその考えは覆されました。先生には感謝しております」


涼しい顔で完璧な嘘。
さすがは営業部部長。
きっとこんなこと日常茶飯事なのだろう。


「いやぁ、うらやましいね。そんなセリフ、この顔だから言えるんだよ。俺が言ったら失笑される。お幸せに」

「ありがとうございます」


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