離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
その相手が私って、やっぱりおかしいよね……。


「津田さん。蛍ちゃん、メチャクチャいい先生だから、泣かせちゃダメだからね」


いつも私よりずっと大人びた発言をする真奈香ちゃんにはたじたじにさせられるが、今の言葉は胸に響いた。


「もちろん、幸せにする。蛍を大切に想ってくれているんだね。俺もうれしいよ」
「ちょっ、発言までイケメン」


おどけた調子で容赦なく私の肩をバン!と叩く真奈香ちゃんだったが、瞳が少し潤んでいるような。

気のせいだろうか。


「お昼食べた?」
「食べたよ。でも、もう病院食飽きちゃった」
「だよね……」


とはいえ、食事も治療の一環なので仕方がない。

真奈香ちゃんは腎臓が悪いため、塩分が控えめで味気ないのだ。


「だよねって……。私の味方なんかして、佐藤(さとう)先生に聞かれたら怒られちゃうよ」


彼女の主治医の佐藤先生は、三十代なかばの明るい先生だ。

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