離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
「まだかかりそう?」

「明日の準備というわけではないので、もう大丈夫です」

「そう。それじゃあ食事に行こうか。中華が食べたい気分なんだけど、好き?」

「大好きです」


そう返すと、彼はうなずいて席を立った。


近くの駐車場で私を待っていたのは、大きなベンツ。

こんな高級車に乗っている直秀さんって、やっぱりただ者じゃない。


「直秀さんの車ですか?」
「そうだけど。あぁ、一ノ瀬から着物が届いてる」


驚く私とは対照的に素知らぬ顔をしている彼は、助手席のドアを開けて私を中に促したあと、後部座席に視線を送った。


「ありがとうございました。クリーニング代を……」

「そんなの気にしなくていい。もう婚約したんだから」


にっこり微笑まれてドキッとする。


甘えても、いいのかな?
いやそれより……本当に婚約したんだ。

まだ夢見心地でどこかふわふわしている。


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