エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
信じるのは難しい。ほんの少しの綻びでも、失いたくないと思えば思う程、悪い方向へ考えてしまうものだ。

(でも、一哉さんは沢山愛をくれた)

日々の積み重ねで、夫婦のきずなが出来ていたのだ。

(嬉しい)

微笑んだ澄夏を見て、一哉が戸惑う。澄夏は一哉の首に腕を回し、驚く彼に告げた。

「私信じてる。これからもずっと一緒にいられるって」

一哉が澄夏の体をきつく抱きしめた。温かな温もりに包まれる瞬間はなによりも幸せだ。

どちらからともなくキスを交わし、隙間なく抱き合う。

一体感と胸を震わすようなときめきでいっぱいだ。

「澄夏」

彼に名前を呼ばれるのが好きだと思う。

「一哉さん……」

強引ともいえるような激しいキスに息が弾んだ頃、そっと体を離された。

離れがたくてもう一度キスを強請る澄夏に、一哉は熱のこもった溜息を吐く。

「これ以上澄夏に触れていたら、押し倒してしまいそうだ」

それは澄夏も同じ想いだった。もっと彼に抱きしめて貰いたい。このまま抱いて貰いたい。

だけど、さすがに父がいる実家でそういうことに及ぶのは躊躇われる。
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