エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
夫がこれまで父親の言いなりになっていた印象はないけれど、彼自身の考えが澄夏には分からないから不安になる。

義母との電話を切った後、すぐに実家に電話をして父に義父の希望を伝えた。

分かったとは言っていたが、実際連絡はしないかもしれない。

なんとなくだがそんな気がする。その場合は澄夏が義父と話す必要があるだろう。

(気が重い……)

義母が何気なく発した一哉の帰省の件も、澄夏の心を暗くしていた。

日帰り出来る距離だから、なんらかの仕事で近くまで行き立ち寄った可能性はある。

でもそれを澄夏に黙っている理由が分からない。ひとりだけ里帰りしたとからって澄夏は責めたりしないのに。

(言い忘れたのか、あえて黙っているのか、どっちなんだろう)

気がかりでいっぱいでしばらく考え込んでしまったが、いつまでもぼんやりはしていられない。今日の予定をこなさなくては。

座っていたソファーから腰を上げたタイミングで、今度はスマートフォンが鳴った。

この音は夫からのメッセージだ。ダイニングテーブルに置いていたスマートフォンを取りに行き画面をタップする。
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