エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
「澄夏、こちらは部下の南雲(なぐも)さんだ」

動揺する澄夏に、一哉が女性を紹介する。

「あ……あの、主人がいつもお世話になっております」

(部下って女の人だったんだ)

なぜだか男性だと思い込んでいた。

「南雲真咲(まさき)と申します。須和さんにはいつも熱心にご指導いただいています」

南雲真咲は同性の澄夏が見惚れてしまうような美女だった。

一哉と並ぶとバランスのよい長身は、澄夏より十センチ近く高く百七十センチはありそうだ。

彫りの深い華やかな顔立ち。手入れが行き届いているのが分る艶やかなミディアムヘア。シンプルなメイクとネイビーのスーツが彼女の素材の良さを引き立たせている。

(こんなに綺麗な人が、一哉さんの部下だなんて)

澄夏の中で焦りのような想いが湧き上がる。

「少し待っていてくれ」

一哉は真咲にそう告げてから、澄夏をちらりと見遣り書斎として使っている部屋に向かった。

「あの、南雲さん、お待ちいただく間、中にどうぞ」

澄香は客用スリッパを出して、真咲をリビングに促す。

「失礼します」

彼女はさりげなくリビングを見回してから、澄夏が勧めたソファに腰を下ろした。
< 33 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop